ドバイ不動産投資で成功する人が必ず考えている「出口戦略」の話 【賃貸編】

皆さん、こんにちは。飯田です。

先日、とある投資家の方からこんな相談を受けました。「ドバイの物件を購入したのはいいけれど、この後どうすればいいのかわからない」。実は、こうした声は珍しいものではありません。多くの方が「購入すること」に集中するあまり、「購入した後」のことを十分に考えていないのです。

YouTubeなどでドバイ不動産の情報を見ても、物件の魅力や購入方法について語られることは多いのですが、「購入後の戦略」について詳しく解説されているコンテンツは意外と少ないものです。しかし、投資の成否を決めるのは、実はこの「出口戦略」にあるのです。

今回は、私がこれまでの経験から学んだ「ドバイ不動産の出口戦略」について、率直にお話ししたいと思います。

目次

私がこの業界で学んだこと

私がこの業界に入ったのは、営業ではなく事務(アドミン)としてでした。契約書と向き合い、ドバイ不動産のルールを一つひとつ覚えていく中で、気づいたことがあります。それは、「正しい物件を選ばなければ、どんなに良い戦略を立てても意味がない」ということでした。

多くのドバイ不動産エージェントがオフプラン(未完成物件)の販売から業界に入る中で、私は事務経験と中古物件販売の両方を経験してきました。この経歴が、今の私の大きな強みになっていると自負しています。また、日本人だけでなく外国人への物件販売もサポートしているため、様々な視点から市場を見ることができています。

「何を買っても上がる」時代は終わった

かつてのドバイは確かに「何を買っても上がる」市場でした。しかし今は違います。デベロッパーも物件も格段に増え、選択肢が豊富になった分、慎重な判断が求められる時代になったのです。

過去の成功事例に惑わされて安易な投資をしてしまうと、思わぬ苦戦を強いられることになります。市場が成熟した今だからこそ、購入前の物件選びと出口戦略の重要性がより一層高まっているのです。

だからこそ、投資を始める前に「出口が見えた状態で入り口に入る」ことが何より重要なのです。

二つの道筋:売るか、貸すか

ドバイ不動産の出口戦略は、シンプルに言えば二つです。「売る」か「貸す」か。

再販売という選択肢

売却については、オフプラン物件の場合、デベロッパーへの支払いが40〜50%に達すると再販売の許可が降ります。完成前でもProperty FinderやBayutといったドバイの代表的な不動産サイトで売り出すことができるのは、ドバイならではの特徴でしょう。

もちろん、物件が完成してからの売却も可能です。市況や個人の事情に合わせて、最適なタイミングを選ぶことができます。

ただし、ここでも「正しい物件」であることが前提です。立地、デベロッパーの信頼性、将来の需要予測——これらを購入時に見極めることが、売却時の成否を分けます。売却手続きの詳細については、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

賃貸という選択肢:短期か長期か

一方、賃貸運用には「短期」と「長期」があります。それぞれに魅力がありますが、最近特に注目されているのが短期賃貸です。

今注目の短期賃貸運用

短期賃貸の魅力は、何と言ってもその収益性にあります。1日から数ヶ月という短いスパンで、家具や生活用品が全て備わった状態で貸し出すスタイルは、まさにホテルのような運用です。現在のドバイには短期滞在者が非常に多く、需要は旺盛で、短期賃貸市場全体が活況を呈しています。

しかも、日本からでも運用できるのが大きなメリットです。管理会社が清掃、メンテナンス、集客、広告掲載、光熱費の支払いまで全て代行してくれるので、オーナーは毎月送られてくる詳細なレポートを確認して純利益を受け取るだけ。まさに「丸投げ」できる投資と言えるでしょう。

長期賃貸と比較すると賃料も高く設定できるため、ハイリスク・ハイリターンの運用を目指す方には非常に魅力的です。また、オーナー自身がドバイを訪れた際に、自分の物件に滞在することも可能です。さらに、市況に応じて短期賃貸から長期賃貸への切り替えも容易にできるという柔軟性もあります。

ただし、稼働率のリスクは常に付きまといます。テナントが入らない期間があることも覚悟しなければなりません。

安定性重視なら長期賃貸

長期賃貸は、短期ほどの収益性はありませんが、安定性という点では優れています。半年から1年という期間(ドバイでは1年契約が一般的)で正式な契約書を結んで賃貸するため、一度決まれば安定した収入が見込めます。

家具の有無に関わらず、テナントが長期で借りたいという場合に適用されるスタイルです。「ハイリスク・ハイリターンは避けたい」「安定した収入を重視したい」という方には、こちらがおすすめです。ドバイにオーナーが来られない場合でも、適切なサポートを受けることができます。

どちらを選ぶべきか

物件によって最適な選択は変わりますが、現在は短期賃貸が特に盛り上がっています。ただし、以下の要素を総合的に判断する必要があります:

  • 物件のエリア(短期滞在者が多いか、長期滞在者が多いか)
  • 部屋の種類(家族向けか、一人用か)
  • オーナーの投資スタンス(リスク許容度や期待収益率)
  • 管理にかけられる時間と労力

これらは個別の相談で詳しく検討することをおすすめします。

「住みたい」と思わせる物件の条件

では、どんな物件が賃貸で成功するのでしょうか。答えはシンプルです。「住みたい人がどれだけいるか」。

これに尽きます。

立地の良さ、部屋の間取り、周辺環境など、すべては「住みたい」と思ってもらえるかどうかにかかっています。需要のあるエリアで、魅力的だと感じてもらえる物件を選ぶことが何より重要です。

内装と家具の戦略

内装についてはデベロッパーの許可があれば変更可能ですし、家具については、最初から付いている物件もあれば、オーナーが後から入れる物件もあります。

最近では、ドバイで家具のパッケージ商品が非常に充実しており、ワンルームの最低ラインであれば約15万円程度から魅力的な家具セットを購入できるようになりました。これらの手軽なパッケージを活用することで、借りてもらいやすい魅力的な空間を比較的簡単に作ることができます。

つまり、「正しい立地の正しい物件」を選んでおけば、後からでも「住みたい」と思ってもらえる環境は整えられるのです。

一人で戦場に行ってはいけない

ここで一つ、強くお伝えしたいことがあります。賃貸運用は「一人で戦場に行く」ようなものだということです。

どんなに準備を整えても、長期・短期を問わず、小さなトラブルやメンテナンスは必ず、そして非常に頻繁に発生します。エアコンの故障、水回りの不具合、テナントからのクレーム、設備の交換など、こうした問題に一人で対処するのは、想像以上に大変です。

特に初心者の方がいきなり自分だけで運用を始めるのは、リスクが高すぎます。海外不動産という特殊性もあり、日本の常識が通用しない場面も多々あります。

だからこそ、信頼できるサポート体制を整えることが不可欠です。困った時にすぐ連絡できる専門家がいるかどうか、小さなトラブルにも迅速に対応してくれるチームがあるかどうかが、成功と失敗を分けると言っても過言ではありません。

投資成功のカギは事前の戦略設計

私がお客様と接する中で痛感するのは、投資で成功する方とそうでない方の違いは、「事前の戦略設計」にあるということです。

成功する方は、購入前から「この物件をどう活用するか」「どのタイミングで何をするか」「どんなリスクがあり、それにどう対処するか」を明確にしています。一方、苦戦される方は「とりあえず買ってから考える」という姿勢の方が多いのです。

市況が良かった時代なら「とりあえず」でも何とかなったかもしれません。しかし、選択肢が増えた現在の市場では、そうした曖昧な投資は非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

投資は「入り口」より「出口」で決まる

最後に、私が常にお客様にお伝えしていることをお話しします。不動産投資において最も重要なのは、「出口が見えた状態で入り口に入る」ことです。

どんなに魅力的な物件でも、どんなに有名なデベロッパーの物件でも、その後の戦略が曖昧では投資とは言えません。売却するのか、賃貸に回すのか、短期なのか長期なのか、どんなサポートが必要なのか。これらを購入前に明確にしておくことが、成功への第一歩なのです。

そして、その戦略を一人で立てて一人で実行する必要はありません。むしろ、適切なパートナーと一緒に考え、実行していくことが重要です。

私たちのような専門家は、お客様の投資目標や資金状況、リスク許容度を踏まえた上で、最適な出口戦略をご提案します。物件選びから運用、そして最終的な出口まで、一貫したサポートを提供することが私たちの役割だと考えています。

投資は一人で行うものではありません。信頼できるパートナーとともに、確実な出口戦略を描いていく。それこそが、真の投資成功につながると私は信じています。

ご質問やご相談がございましたら、私を含めた専門チームがサポートいたします。皆様の投資が成功に結びつくよう、全力でお手伝いさせていただきます。

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筆者プロフィール:飯田
ドバイ不動産エージェント。事務経験と中古物件販売の両方の経験を持つ、業界では珍しい経歴の持ち主。日本人のみならず外国人への物件販売もサポート。

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